相続の準備、もしもの時に慌てないために知っておきたい手続きの流れ

相続の手続きをどのように進めるべきかご存知の方は少ないかと思います。

大切な方を亡くされてご心痛の時に初めて方法を調べ、冷静に手続きを進められるのは大変なことでしょうから、相続の準備として相続手続きの流れを一通りお伝えします。

相続の手続きの流れと注意点

被相続人が亡くなられた時点で相続は始まります。

まず、被相続人の取引先金融機関へ連絡を行い口座を凍結します。

年金の手続き、公共料金などの名義人や支払方法の変更も速やかに行いましょう。

次に、通夜及び葬儀を行った後に遺言書の存在を確認します。

遺言とは、自分の死後にその効力を発生させる目的で予め書き残しておく意思表示のことで、この内に後見人の指定・相続人の選択・財産の分割といった点は法的な効力を生じます。

そのため遺言が存在しているかの確認は重要な課程と言えます。

遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言という3種類があり、公正証書遺言は発見者が開封しても問題ないですが、自筆証書遺言及び秘密証書遺言については開封時に家庭裁判所の検認が必要となりますので注意が必要です。

遺言の有効性については、相続排除・受贈者・遺留分といったものに絡んでいる内容であるかも確認しておくべきです。

一定の相続方法の選択は、相続の開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。

四十九日法要あたりを目途に、遺言などから遺産の内容を確認し相続人の調査と相続財産の確認、原則的な相続方法(単純承認)以外の相続放棄・限定承認といった相続方法の選択をする場合は、この期間内に裁判所に申し立てをします。

相続人の調査は、被相続人が生まれた時から亡くなるまでの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍を取り寄せて調べることになります。

続いて所得税の準確定申告を行います。

申告手続きは相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月が期限となります。

相続人が複数人いる場合には、各相続人が連署により準確定申告書を提出しなければなりません。

他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出するという方法も可能ではありますが、申告書を提出した相続人は他の相続人に申告した内容を通知することが義務付けられています。

この申告書は、亡くなられた方の住所地にある税務署に提出します。

その後、遺産の分割を協議して遺産分割協議書を作成し、相続財産の名義変更を行います。

尚、この遺産分割協議及び協議書の作成は期限が定められていませんが、後の相続税計算上、未分割(遺産分割協議が整っていない)の状態では一定の税制上の恩典(相続税が節税できる)が適用できないため相続税の申告書提出期限前に確定することをお勧めします。

最後に相続税の申告及び納税を行います。

おわりに

相続方法の選択や準確定申告に期限があることを中ほどで記載していますが、相続税の申告と納税も相続開始から10か月以内で終わらせる必要があります。

親族同士で揉め事が起こってしまいますと、遺産分割までに時間を要することになりますので前もって手順を理解し、いざという時に落ち着いて行えるようにして下さい。

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