遺産分割をした後に遺言書が出てきた時の対処法

遺産の分割をした後に遺言書が見つかった。

意外にもこのケースが多いのが現実です。

遺産分割を終えた後に見つかった遺言書にも強い効力がありますので、分割し終えた遺産を再分割しなければならなくなる事例もあります。

今回は分割後に遺言書が見つかった場合の対処法をお伝えします。


本当にその遺言書は有効なのか

内容に不備がある場合

自筆証書遺言は自宅で作成できる一般的な遺言書ですが、不備があると効力を失います。

遺言書には、「遺言者の氏名」、「作成した年月日」、「押印されている」ことが必要不可欠です。

どれか1つでも欠けている場合は無効となります。

また、遺言者が全て自筆で書いてあることも条件の1つで、一部分を他の人が書いていたり、自筆でない場合には無効となります。


遺言者に遺言書を書く能力がないと判断された場合

これは、遺言者が認知症である場合や手に不自由あり、明らかに本人には作成できないと判断される場合に起こりえます。

また、第三者によって強制的に遺言を書かされたということが判明すれば遺言は無効となります。


他の誰かが加筆修正している場合

遺言者以外の人が加筆修正した場合は、その遺言書は無効となります。

また、加筆修正をした人に罰金が科されたり、相続権が剥奪されたりします。

遺言者本人が修正している場合は、その修正方法が正しければ有効ですが、間違っていれば修正した箇所のみ無効となります。


遺産を再分割しなくて良いケース

これは、相続人の全員が同意をして遺産分割を行っており、全員が遺言書の内容を見ても再分割する必要がないと意思表明した場合です。

相続人の間で合意が取れていれば、遺言書の内容を汲み取るだけで、やり直しをする必要はありません。


遺産を再分割するケース

相続人のうち1人でもやり直したい人がいる場合

相続は基本的には遺言書の内容に従って行います。

1人でもやり直したい人がいる場合には、遺言書の内容に基づいて再分割し直さなければなりません。


遺言書に相続人以外の名前があった場合

例えば、隠し子が見つかる場合、相続人ではない別の親しい人にも遺産分割する場合などがあります。

この場合は、その人も含めた相続人の間で再分割する必要があります。


相続人の廃除がある場合

法定相続人で、一般的には遺産相続を受ける立場にある人でも、被相続人の意思で相続を受けることができなくなることがあります。

これを廃除といい遺言執行者が家庭裁判所に廃除を請求し、家庭裁判所で実際に非行等があったと認定された後に相続権を失うこととなります。

この場合には、廃除となった人を除いて、遺産の再分割をしなければなりません。


おわりに

遺産分割が行われた後に遺言書が見つかるケースは少なくありません。

その遺言書が有効であるかを確かめ、遺産の再分割をする必要があるのかどうかを相続人の間で話し合う必要があります。

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